当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

保育士の処遇改善等加算はいくら?区分3は副主任など最大月4万円・リーダーは原則月5千円

保育所・幼稚園・認定こども園などの「処遇改善等加算」は、2025年度(令和7年度)から、それまでの加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを「区分1」「区分2」「区分3」にまとめた仕組みです。答えを先に書くと、1人ずつの金額が決まっているのは区分3で、副主任保育士等は1人「月額4万円を超えないものとする。」、職務分野別リーダー等は「原則として月額5千円」です。区分1と区分2は全職員が対象で、施設ごとの加算率で計算されます(こども家庭庁の資料、2026年9月30日確認)。

加算は施設に支払われ、施設が職員に配分します。この記事では、区分ごとの対象と金額の決まり方、区分3の人数の上限、施設に求められていることを整理します。

保育士の処遇改善等加算はいくら?区分3は副主任保育士等が1人月額4万円まで、職務分野別リーダー等が原則月額5千円。区分1・区分2は全職員が対象で、区分2には職員1人9,000円相当の分が含まれる

要点

制度
処遇改善等加算(保育所・幼稚園・認定こども園など。2025年度に加算Ⅰ〜Ⅲを区分1〜3に一本化)
区分1
全職員が対象。職員の平均経験年数に応じて加算率2〜12%(昇給などに充てる)
区分2
全職員が対象。加算率6%(平均経験年数11年以上は7%)に、職員1人9,000円相当の分を足した率
区分3
副主任保育士等は1人月額4万円まで、職務分野別リーダー等は原則月額5千円
区分3の人数
加算額は、基礎職員数の3分の1(4万円)・5分の1(5千円)と、研修修了者数の少ない方で計算
確認日
2026年9月30日

こども家庭庁の公表資料より編集部作成(2026年9月30日確認)

区分1・2・3の違い

こども家庭庁の解説資料「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について(令和7年度以降)」は、2025年度から「処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3つあった加算について統合する」とともに、配分の柔軟化などの見直しを行ったとしています。区分1は旧加算Ⅰ(基礎分)、区分2は旧加算Ⅰ(賃金改善要件分)と旧加算Ⅲ、区分3は旧加算Ⅱにあたります。

区分対象加算額の決まり方賃金改善の方法
区分1(基礎分)全職員在籍児童数×区分1単価×加算率(職員の平均経験年数に応じて2〜12%)定期昇給など
区分2(賃金改善分)全職員在籍児童数×区分2単価×加算率(6%〈平均経験年数11年以上は7%〉に、職員1人9,000円相当の改善のための率を足す)基本給・毎月の手当・賞与・一時金など
区分3(質の向上分)副主任保育士等・職務分野別リーダー等4万円×人数A+5千円×人数B基本給・毎月の手当
(参考)人事院勧告による改善分全職員基本分単価などの中に含まれる基本給・毎月の手当・賞与・一時金など
こども家庭庁「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について(令和7年度以降)」の「処遇改善の仕組みの全体像」より編集部作成(2026年9月30日確認)。区分2と区分3を合わせた加算額の2分の1以上は、基本給・毎月決まって支払われる手当で改善する要件があります。※スマートフォンでは横にスクロールできます

人事院勧告に伴う改善分(2025年度は+5.3%)は、処遇改善等加算とは別に、基本分単価などの中で手当てされています。いつ・どう支払われるかは保育士の処遇改善5.3%はいつ?にまとめています。

区分3はいくら? 副主任は最大月4万円、リーダーは原則月5千円

区分3は、解説資料によると「副主任保育士・専門リーダー(月額4万円の処遇改善)・職務分野別リーダー・若手リーダー(月額5千円の処遇改善)等を設けることにより、キャリアパスの仕組みを構築するもの。」です。1人ずつの改善額は次のように決められています。

区分主な対象の職位1人ずつの改善額
区分3-①(副主任保育士等)副主任保育士・専門リーダー(幼稚園・認定こども園は中核リーダー・専門リーダー)など月額4万円を超えない
区分3-②(職務分野別リーダー等)職務分野別リーダー(幼稚園・認定こども園は若手リーダー)など原則として月額5千円(副主任保育士等の改善額のうち最も低い額を上回らない範囲で、月額5千円以上4万円未満も可)
こども家庭庁「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について(令和7年度以降)」の「区分3の要件」より編集部作成(2026年9月30日確認)。4万円・5千円は職員の賃金改善に充てる額で、施設に支払われる単価は保険料率も含みます。※スマートフォンでは横にスクロールできます

副主任保育士だから必ず月4万円、ではありません。4万円は1人ずつの上限です。職務分野別リーダー等については、資料が「副主任保育士等の改善額のうち最も低い額を上回らない範囲において、月額5千円以上4万円未満とすることができる。」としています。区分3の分は、役職手当・職務手当など、職位や職責に応じた「決まって毎月支払われる手当又は基本給により賃金の改善を行う」こととされています。

区分3の加算額と、人数の上限

区分3で施設に入る加算額は、4万円×人数A と 5千円×人数B で計算します。人数Aは、基礎職員数の3分の1と、副主任保育士等(研修を修了した主任保育士等を含む)の数の少ない方です。人数Bは、基礎職員数の5分の1と、職務分野別リーダー等の数の少ない方です。研修を修了する見込みの人は、配分の対象にはできますが、人数A・Bには数えません。園長は人数に数えられますが、配分はできません。

定員90人の保育所の例研修修了者が十分いる場合研修修了者が少ない場合
人数A(4万円)5人3人
人数B(5千円)3人2人
区分3の月額(編集部の計算)21万5千円13万円
こども家庭庁の解説資料の例(定員90人・職員17人〈園長1人・主任保育士1人・一般職員15人〉、基礎職員数15.0。研修修了者は、十分いる場合が副主任保育士等5人・職務分野別リーダー等4人、少ない場合が3人・2人)より編集部作成(2026年9月30日確認)。月額は4万円・5千円に人数を掛けた編集部の計算で、保険料率を含む実際の単価とは違います。※スマートフォンでは横にスクロールできます

区分3の対象になる条件

  • 副主任保育士等:副主任保育士・専門リーダー(幼稚園・認定こども園では中核リーダー・専門リーダー)などの発令や職務命令を受け、概ね7年以上の経験年数があり、別に定める研修を修了していること
  • 職務分野別リーダー等:職務分野別リーダー(幼稚園・認定こども園では若手リーダー)などの発令や職務命令を受け、概ね3年以上の経験年数があり、「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」のいずれかの分野を担当し、別に定める研修を修了していること
  • 研修を修了する見込みの人:年度内に修了する予定で、研修計画に明示され本人に周知されており、副主任保育士等・職務分野別リーダー等に準ずる職位や職務命令を受けていれば、配分の対象にできる

「別に定める研修」は、「施設型給付費等に係る処遇改善等加算(区分3)に係る研修修了要件について」(令和7年9月16日)で定められています。保育士だけが対象というわけではなく、こども家庭庁の「処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)」(第7版)は、区分3の要件に該当すれば「事務職員、調理員、栄養士やスクールバスの運転手等であっても、また、非常勤職員であっても、賃金の改善の対象とすることを妨げるものではありません。」としています。

区分1・区分2はいくら?

区分1・区分2には、1人ずつの決まった額はありません。施設の在籍児童数・単価・加算率で加算額が決まり、施設が配分します。

  • 区分1(基礎分):加算率は職員の平均経験年数(0〜10年以上)に応じて2〜12%です。資料は「区分1に係る加算額は、職員の賃金の勤続年数等を基準として行う昇給等(※)に適切に充てること。」としています(公定価格の積算では、2%を管理費、その他を人件費に充てることを見込んでいます)。
  • 区分2(賃金改善分):加算率は6%(平均経験年数11年以上は7%)に、「公定価格上の職員1人につき9,000円相当」の加算となるための率を足したものです。9,000円の分は旧加算Ⅲにあたります。

区分1・区分2の対象について、FAQは「保育士や幼稚園教諭だけでなく、事務職員、調理員、栄養士やスクールバスの運転手等を含め、通常の教育・保育に従事するすべての職員(非常勤職員含む)が対象になります。」としています。

施設に求められていること(区分2・区分3)

  • 加算額以上の賃金改善を行う
  • 基準年度(原則は前年度)と比べて、加算の影響などを除いた支払賃金の総額を下回らない
  • 改善する項目以外の賃金の水準を下げない
  • 区分2・区分3の加算額の2分の1以上を、基本給・毎月決まって支払われる手当で改善する
  • 国家公務員の給与改定に伴う増額改定があれば、それに応じて賃金を追加で支払う
  • 賃金改善の具体的な内容を職員に周知する(区分3は、職位・職責などに応じた賃金体系の整備と周知も必要)

賃金の水準については、「経営状況が悪化し収支が赤字等となる状況がある場合に、労使の合意の下、必要最小限の範囲で賃金水準を引き下げることが、特例的に可能。」とされています(解説資料)。区分3の支払いを認定まで待たせる扱いや、加算に残りが出たときの扱いは処遇改善手当がもらえない・少ないときは?にまとめています。

自分の園が取っているか確かめる方法

  1. 園に聞く:賃金改善の具体的な内容を職員に周知することは、区分2・区分3の要件です
  2. 給与明細の手当の名前を見る:区分3は毎月の手当か基本給で払われます(手当の名前は園ごとに違います)
  3. 市町村の保育の担当課に問い合わせる:加算の申請書類は市町村長に提出する仕組みです

加算の認定が年度の途中になった場合について、FAQは「認定がなされた後に認定の効果を年度当初に遡及して適用することになります。」としています。

よくある質問

副主任保育士になれば必ず月4万円もらえますか?
必ずではありません。区分3の副主任保育士等の改善額は1人「月額4万円を超えないものとする。」とされた上限です。区分3は研修修了見込みの人などにも配分でき、1人ずつの額は園の配分で決まります(こども家庭庁の資料、2026年9月30日確認)。
職務分野別リーダーは月5千円だけですか?
原則は月額5千円です。副主任保育士等の改善額のうち最も低い額を上回らない範囲で、月額5千円以上4万円未満にすることもできます。
パート・非常勤や調理員も対象ですか?
区分1・区分2は、非常勤職員を含む通常の教育・保育に従事するすべての職員が対象です。区分3も、副主任保育士等・職務分野別リーダー等の要件に該当すれば、事務職員・調理員や非常勤職員でも対象にできます(こども家庭庁のFAQ)。
園長も区分3をもらえますか?
区分3は園長には配分できません。主任保育士など園長以外の管理職は、副主任保育士等の改善で賃金のバランスが崩れる場合など、必要な場合に対象にできます。
5.3%の改定分とは別のものですか?
別のものです。5.3%は人事院勧告に伴う公定価格の人件費の改定率で、基本分単価などの中で手当てされます(保育士の処遇改善5.3%はいつ?)。
保育士等キャリアアップ研修は誰でも受けられますか?
こども家庭庁のFAQは、保育所などで「リーダー的な役割を担うことを希望する方であれば、誰でも受講することができます。」としています。区分3の対象になるための研修の中身は、令和7年9月16日の研修修了要件の通知で定められています。

出典

本記事の金額・率・要件は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。定員90人の例の月額は、資料の人数から編集部が計算しました。実際の支給額は、施設の加算の算定の有無と配分の方法で異なります。制度は改定される場合があります。当編集部は、記事で取り上げる施設・求人サービス各社の関係者ではありません。