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ケアマネにも処遇改善加算|居宅介護支援2.1%が2026年6月から、取った事業所は76.0%

ケアマネジャー(介護支援専門員)が働く居宅介護支援事業所にも、2026年6月から処遇改善加算ができました。答えを先に書くと、居宅介護支援・介護予防支援の加算率は2.1%で、2026年6月サービス提供分で加算を算定した居宅介護支援事業所は76.0%でした。厚生労働省の「令和8年度介護報酬改定の概要」は、それまで対象外だった居宅介護支援等について「処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に処遇改善加算を新設する。」としています(2026年9月29日確認)。

国が示した水準は、介護職員以外も含む介護従事者に「幅広く月1.0万円(3.3%)」です。ただし加算は事業所に支払われ、事業所が職員に配分するため、ケアマネ1人ずつの額は勤務先で決まります。この記事では、要件、2.1%でいくらになるかの試算、ケアマネの給料の水準、2026年の試験と制度の動きをまとめます。

ケアマネにも処遇改善加算。居宅介護支援・介護予防支援の加算率は2.1%で、2026年6月サービス提供分から。算定した居宅介護支援事業所は76.0%、介護予防支援は76.9%

要点

制度
介護職員等処遇改善加算(居宅介護支援・介護予防支援は2026年6月に新設)
加算率
2.1%(居宅介護支援・介護予防支援)
いつから
2026年6月サービス提供分から
算定した事業所
居宅介護支援76.0%・介護予防支援76.9%(2026年6月サービス提供分)
国が示した水準
介護従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)
要件
ケアプランデータ連携システムの利用などか、加算Ⅳに準ずる要件(どちらも令和8年度中の対応の誓約で算定できる)
確認日
2026年9月29日

厚生労働省の公表資料より編集部作成(2026年9月29日確認)

居宅介護支援にも「処遇改善加算」ができた

2026年6月の期中改定で、処遇改善加算の対象は「介護職員のみから介護従事者に拡大」され、あわせて、それまで加算の対象外だった訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援等に加算が新設されました(「令和8年度介護報酬改定の概要」)。

その前の2025年12月〜2026年5月分は、補助金(令和7年度補正予算の「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」)で先に手当てされていました。厚生労働省が社会保障審議会介護給付費分科会(第263回・2026年8月28日)に出した資料は、この補助金の対象を「介護職員のみならず、看護職、リハ職、ケアマネ、事務職等の介護現場で働く幅広い職種の方々が対象。」と説明しています。

なお、特別養護老人ホームなどの施設で働くケアマネは、それ以前から、施設が算定する処遇改善加算の配分の対象になりえました。同じ資料にある令和7年度の実態調査では、介護職員以外に配分した職員の範囲(複数回答)として、介護支援専門員が44.0%でした。

加算率2.1%と、算定した事業所の割合

サービス加算率算定した事業所(2026年6月分)
居宅介護支援2.1%76.0%
介護予防支援2.1%76.9%
(参考)訪問看護1.8%67.6%
(参考)訪問リハビリテーション1.5%59.8%
加算率は厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」別紙1 表1-5、算定した事業所の割合は社会保障審議会介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1「介護職員等処遇改善加算の算定状況」より編集部作成(2026年9月29日確認)。割合は事業所の数に対するものです。※スマートフォンでは横にスクロールできます

居宅介護支援事業所の24.0%は、2026年6月分の加算を算定していませんでした(100%から76.0%を引いた編集部の計算)。算定していない事業所では、この加算による賃金の改善はありません。

加算率2.1%は、事業所の報酬に掛ける割合です。通知の別紙は、介護予防・日常生活支援総合事業の第一号介護予防支援事業を行う事業所も「居宅介護支援、介護予防支援」と同じ扱いとしています。また、地域包括支援センターから介護予防支援の委託を受けている居宅介護支援事業所について、厚生労働省の「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(2026年3月13日)は「委託先の指定居宅介護支援事業所は処遇改善加算による賃金改善の対象となる。」としています。

算定するための要件(どちらか一方)

居宅介護支援事業所が加算を算定するには、加算額に見合う賃金改善を行ったうえで、次の①か②のどちらかを満たす必要があります(2026年3月13日の厚生労働省の通知)。

  1. 令和8年度特例要件:「ケアプランデータ連携システムを利用していること。」か、事業所の法人が社会福祉連携推進法人に所属していること
  2. 処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件:キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)、キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)、職場環境等要件の3つを全て満たすこと

どちらも、2026年度は、申請の時点で令和9年3月末までに対応すると誓約すれば算定できます。ケアプランデータ連携システムについて、Q&Aの問8-2は「ケアプランデータ連携システムへの加入だけではなく、利用することが必要」としています。

ケアマネが1人だけの事業所も対象になります。Q&Aの問2-9は、ケアプラン作成を代表取締役などの役員が行っている事業所について「当該役員等を処遇改善加算による賃金改善の対象に含めて差し支えない。」としています。

2.1%でいくらになるか(編集部試算)

加算の単位数は、居宅介護支援費などの1か月の総単位数に2.1%を掛けて計算します。厚生労働省の算定構造(令和6年4月改定)では、居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)は要介護1・2が1,086単位、要介護3・4・5が1,411単位です。これをもとに、ケアマネ1人が担当する利用者の分を計算すると次のようになります。

担当の件数1か月の単位数×2.1%1単位10円なら
30件(要介護1・2が15件、3〜5が15件)37,455単位約787単位約7,870円
40件(要介護1・2が20件、3〜5が20件)49,940単位約1,049単位約1万490円
厚生労働省の介護給付費単位数の算定構造(令和6年4月改定)にある居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)の単位数をもとにした編集部試算(2026年9月29日確認)。初回加算・特定事業所加算などは含めていません(実際はこれらも総単位数に入ります)。1単位の単価は地域によって違い、ここでは10円で計算しました。これは事業所に入る加算の額の目安で、ケアマネ1人に払われる額ではありません。※スマートフォンでは横にスクロールできます

40件を担当するケアマネの分でおよそ月1万円で、国が示した「幅広く月1.0万円」とほぼ同じ水準です。ただし加算は事業所全体の報酬に対して付き、事務職員など他の職員への配分も含めて事業所が決めます。

6月分の加算は、いつの給料に入るか

Q&Aの問1-8-1は、賃金改善の実施月について「必ずしも算定対象月と同一ではなくても差し支えない」としています。6月分の加算は、6月中(見込額)・7月中・8月中(6月分の報酬が事業所に振り込まれた月)のどれかで払う形から、事業者が選びます。くわしくは介護の処遇改善加算2026はいくら?にまとめています。

ケアマネの給料の水準

厚生労働省が第263回の分科会に出した資料には、令和7年賃金構造基本統計調査による職種別の給与が載っています。

職種平均年齢勤続年数賞与込み給与(月)
介護支援専門員(ケアマネジャー)53.4歳11.2年34.7万円
介護職員(訪問介護従事者と施設等の介護職員の加重平均)45.5歳8.5年31.4万円
産業計(役職者を除く)43.4歳10.8年39.6万円
社会保障審議会介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1「介護人材の賃金の状況(一般労働者、男女計)」より編集部作成(2026年9月29日確認)。出典は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。賞与込み給与は、きまって支給する現金給与額に年間賞与その他特別給与額の12分の1を加えた額です。2026年6月の加算の新設より前の数字です。※スマートフォンでは横にスクロールできます

加算の新設が給料にどう表れたかは、2026年11月頃に公表予定の「令和8年度介護従事者処遇状況等調査」で分かる見込みです。同調査の実施案は、調査対象に居宅介護支援事業所を含めています(第256回介護給付費分科会 資料1)。

2026年の試験と、資格の更新制の廃止

  • 第29回 介護支援専門員実務研修受講試験:試験日は2026年10月11日(日)午前10時開始、合格発表は2026年11月24日(火)です(福岡県のページ。愛知県社会福祉協議会のページも試験日を10月11日としています)。
  • 介護支援専門員証の有効期間の廃止:2026年6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)で、「介護支援専門員証の有効期間を廃止するとともに、その交付又は有効期間の更新を受けるために受講することとされている研修を廃止する。」とされました。施行は、公布の日から1年6か月を超えない範囲で政令で定める日です(厚生労働省の公布の通知)。

よくある質問

ケアマネの処遇改善加算はいつからですか?
2026年6月サービス提供分からです。居宅介護支援・介護予防支援に加算率2.1%の介護職員等処遇改善加算が新設されました。その前の2025年12月〜2026年5月分は、補助金で手当てされていました(厚生労働省の資料、2026年9月29日確認)。
ケアマネはいくらもらえますか?
決まった額はありません。国が示した水準は介護従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)で、40件を担当する分の加算を試算するとおよそ月1万円(1単位10円の場合・編集部試算)です。加算は事業所に入り、配分は事業所が決めるため、受け取る額は勤務先に確かめてください。
一人ケアマネや、役員が兼ねているケアマネも対象ですか?
対象にできます。厚生労働省のQ&A(第1版・2026年3月13日)の問2-9は、職員が1人でケアプラン作成を役員が行っている居宅介護支援事業所でも、処遇改善加算を算定し、その役員を賃金改善の対象に含めて差し支えないとしています。
施設で働くケアマネも対象ですか?
施設が算定する処遇改善加算の配分の対象になりえます。同じQ&Aの問2-1-2は、事業所内の配分について「対象には介護職員以外の全職種」が含まれるとし、介護支援専門員も例に挙げています。
勤務先が加算を算定しているか知るには?
勤務先に聞くのが確実です。厚生労働省は、職員から照会があれば書面を用いるなど分かりやすく回答するよう事業所に求めています。聞き方と相談先は処遇改善手当がもらえない・少ないときは?にまとめています。
2027年度も続きますか?
2027年度の介護報酬改定の中身は、2026年9月29日時点で決まっていません。日程案では2026年12月中にとりまとめ、2027年1月頃に諮問・答申の予定です(2027年度介護報酬改定はいつ決まる?)。

出典

本記事の金額・割合・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。加算の試算と「算定していない事業所」の割合は、資料の数字から編集部が計算しました。実際の支給額は勤務先の算定の有無と配分の方法で異なります。制度は改定される場合があります。当編集部は、記事で取り上げる事業所・求人サービス各社の関係者ではありません。