介護職員の給料は本当に上がった?厚労省の調査は11月頃公表予定(前回は月+13,960円)
介護職員の給料が実際にどれだけ上がったかは、厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」で分かります。答えを先に書くと、前回の令和6年度調査では、処遇改善加算を取得している施設・事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額が、2023年9月から2024年9月の1年で月13,960円(4.3%)増えていました。2026年6月の処遇改善加算の拡充などが給料にどう表れたかは、2026年11月頃に公表予定の令和8年度調査で分かる見込みです(2026年9月30日確認)。
令和8年度調査は、同じ職員の2025年7月と2026年7月の給与を比べます。この記事では、これまでの結果、次の調査で分かること、国が示した水準との比べ方をまとめます。
要点
- 次の公表
- 2026年11月頃(予定)。令和8年度介護従事者処遇状況等調査
- 比べる月
- 2025年7月と2026年7月(両年とも在籍している職員)
- 前回
- 平均給与額が月13,960円(4.3%)増(2023年9月→2024年9月)
- 直近の調査
- 平均給与額が月6,840円(2.0%)増(2024年9月→2025年7月・速報)
- 国の水準
- 2026年6月から幅広く月1.0万円、最大月1.9万円(定期昇給込み)
- 確認日
- 2026年9月30日
厚生労働省の公表資料より編集部作成(2026年9月30日確認)
これまでの調査で、給料はいくら上がったか
| 調査 | 比べた月 | 基本給等 | 平均給与額 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度調査 | 2021年12月→2022年12月 | +10,060円(+4.4%) | +17,490円 |
| 令和6年度調査 | 2023年9月→2024年9月 | +11,130円(+4.6%) | +13,960円(+4.3%) |
| 令和7年度 実態調査(速報) | 2024年9月→2025年7月 | +6,130円(+2.5%) | +6,840円(+2.0%) |
| 令和8年度調査 | 2025年7月→2026年7月 | 2026年11月頃公表予定 | 2026年11月頃公表予定 |
令和7年度の実態調査は、厚生労働省の老人保健健康増進等事業として三菱総合研究所が行ったもので、令和6年度調査とは別の調査です。比べた期間も10か月(2024年9月→2025年7月)で、1年ごとの比較ではありません。
「基本給等」と「平均給与額」の違い
- 基本給等:基本給(月額)と、毎月決まって支払われる手当(通勤手当・扶養手当・超過労働給与額などは含まない)
- 平均給与額:基本給と手当に、一時金(賞与などを含む)を足した額。一時金は、令和6年度調査では4〜9月、令和7年度の実態調査では4〜7月の支給額の6分の1を足しています
別の調査の数字をつないで見ることはできない
| 調査 | 前の月の平均給与額 | 後の月の平均給与額 |
|---|---|---|
| 令和6年度調査 | 324,240円(2023年9月) | 338,200円(2024年9月) |
| 令和7年度 実態調査(速報) | 334,500円(2024年9月) | 341,340円(2025年7月) |
同じ2024年9月でも、令和6年度調査では338,200円、令和7年度の実態調査では334,500円です。それぞれの調査で、両年とも在籍している職員どうしを比べているため、別の調査の数字をつないで、何年で何円上がったと足し算することはできません。
2026年11月の調査で分かること
厚生労働省が介護給付費分科会(第256回・2026年4月27日)に出した「令和8年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」によると、調査は2026年7月に行い、結果の公表時期は「令和8年11月頃を予定」とされています(公表の後、介護給付費分科会に報告)。前回の令和6年度調査は、2024年10月に調査し、2025年3月に公表されました。
- 比べる給与:2025年7月と2026年7月の給与額(両年とも在籍している人)
- 新しく対象になる事業所:2026年度から処遇改善加算の対象になった訪問看護・訪問リハビリテーション(居宅介護支援は従来から対象)
- 新しく調べること:上乗せの加算区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)に関する項目、ベースアップによる賃金改善額、令和7年度補正予算の「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」による賃金改善の状況
編集部の見方:調査は7月の給与で比べます。厚生労働省のQ&A(問1-8-1)は、6月分の加算を6月中(見込額)・7月中・8月中のいずれかで払う形から事業者が選ぶとしているため、6月分を8月に払う事業所では、2026年6月の拡充の分が7月の給与に入っていない可能性があります。結果を見るときは、基本給等と平均給与額の両方を確かめるのがよさそうです。
国が示した水準と比べるには
| 時期 | しくみ | 国が示した水準(1人あたり) |
|---|---|---|
| 2025年12月〜2026年5月分 | 令和7年度補正予算の補助金(介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業) | 介護職員は最大月額1.9万円相当、介護職員以外も月額1.0万円相当(常勤換算1人あたり・6か月分) |
| 2026年6月から | 介護職員等処遇改善加算の拡充(期中改定・改定率+2.03%) | 介護従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)、上乗せ区分の事業所の介護職員に月0.7万円(2.4%)を上乗せ。最大月1.9万円(6.3%・定期昇給0.2万円込み) |
どちらも「最大」の額で、補助金や加算は事業所に支払われ、事業所が職員に配分します。上乗せの区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を2026年6月分で算定した事業所は約65%でした(介護の処遇改善加算2026はいくら?)。
賃金構造基本統計調査による2025年の賞与込み給与は、介護職員が31.4万円、産業計(役職者を除く)が39.6万円で、差は8.2万円です(介護給付費分科会 第263回 資料1・差は編集部の計算)。政府の経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針・2026年7月21日閣議決定)は、次の介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定で、介護・障害福祉分野の賃上げの状況などを把握した上で「他職種と遜色のない処遇改善の実現を図る」としています。11月の調査は、その賃上げの状況を示す材料の一つになるとみられます(編集部の見方)。
自分の給料で確かめる方法
- 2025年7月と2026年7月の給与明細を並べ、基本給と毎月の手当(調査の「基本給等」にあたる)が上がったかを見る
- 手当の名前を見る(処遇改善手当・ベースアップ手当など、名前は事業所ごとに違います)
- 6月分の加算がいつ払われたかを勤務先に確かめる(6月・7月・8月のいずれか)
- 上がっていないと感じたら、処遇改善手当がもらえない・少ないときは?の手順で勤務先に聞く
障害福祉の職員の調査(令和8年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査)は「令和8年秋頃に公表予定」とされています(障害福祉の処遇改善加算2026はいくら?)。
よくある質問
介護職員の給料はいくら上がりましたか?
次の調査の結果はいつ出ますか?
平均給与額と基本給等は何が違いますか?
2026年6月から月1.9万円上がったのではないのですか?
自分の給料が上がっていないときは?
出典
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」・「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査の結果について(速報版)」・「介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査結果のポイント(速報版)」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第256回(2026年4月27日)資料1「令和8年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 第55回(2026年4月28日)資料1「令和8年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の実施について(案)」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)(令和8年3月13日)」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」リーフレット(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1「介護人材確保に向けた処遇改善等」(2026年9月30日確認)
- 内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026」(2026年9月30日確認)
本記事の金額・率・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。給与の差は、資料の数字から編集部が計算しました。「編集部の見方」は、公表資料をもとにした編集部の見立てで、厚生労働省の見解ではありません。実際の支給額は、勤務先の加算の算定の有無と配分の方法で異なります。当編集部は、記事で取り上げる事業所・求人サービス各社の関係者ではありません。