介護の処遇改善加算2026はいくら?6月から月1.0万円、「最大1.9万円」の上乗せ区分を取った事業所は約65%
介護職員等処遇改善加算は、2026年6月から拡充されました。厚生労働省の「介護職員の処遇改善」のページは「令和8年6月から処遇改善加算が更に拡充されます。」と案内しています。答えを先に書くと、国が示した水準は、介護従事者に幅広く月1.0万円、生産性向上などに取り組む事業所の介護職員に月0.7万円の上乗せで、合計は「最大月1.9万円」です。ただし、この1.9万円には定期昇給の0.2万円が含まれています(2026年9月27日確認)。
上乗せのある区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を算定した事業所・施設は、2026年6月サービス提供分で約65%でした(Ⅰロ39.3%、Ⅱロ25.8%)。残りの事業所・施設では、月0.7万円の上乗せ分はありません。
また、加算は事業所に支払われ、事業所が職員に配分します。この記事の金額は国が報酬に見込んだ水準で、1人ひとりの支給額を約束するものではありません。自分がいくら受け取るかは、勤務先が算定している区分と、配分の方法で決まります。
要点
- 制度
- 介護職員等処遇改善加算(介護報酬の加算)
- いつから
- 2026年6月サービス提供分から拡充(令和8年度の期中改定)
- 対象
- 介護職員だけでなく介護従事者に拡大。訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・介護予防支援にも新設
- 国が示した水準
- 幅広く月1.0万円(3.3%)+上乗せ月0.7万円(2.4%)。介護職員は最大月1.9万円(6.3%、定期昇給0.2万円込み)
- 上乗せ区分の算定
- 約65%の事業所・施設(加算Ⅰロ39.3%・Ⅱロ25.8%、2026年6月サービス提供分。改定前から加算の対象だったサービス)
- 根拠
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」、社会保障審議会介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1
- 確認日
- 2026年9月27日
厚生労働省の公表資料より編集部作成(2026年9月27日確認)
「月1.0万円」「最大1.9万円」の内訳
厚生労働省の「令和8年度介護報酬改定の概要」によると、2026年度の期中改定は「改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分+0.09%)」です。処遇改善の中身は、次の2つの措置です。
- 「介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置を実施する。」
- 「生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月0.7万円(2.4%)の上乗せ措置を実施する。」
そのうえで資料は、「合計で、介護職員について最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.2万円込み)が実現する措置。」と書いています。
| 内訳 | 対象 | 月額(割合) |
|---|---|---|
| 幅広い賃上げ | 介護従事者(介護職員以外の職種を含む) | 1.0万円(3.3%) |
| 上乗せ | 生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員 | 0.7万円(2.4%) |
| 定期昇給 | 介護職員 | 0.2万円 |
| 合計(最大) | 上乗せ区分の事業所の介護職員 | 1.9万円(6.3%) |
誤解しやすい点が3つあります。
- 「最大月1.9万円」のうち0.2万円は定期昇給の分です。今回の加算の拡充による分は、1.0万円+0.7万円=1.7万円です(資料の数字から編集部が計算)。
- 月0.7万円の上乗せは、上乗せ区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を算定した事業所の介護職員が対象です。介護職員以外の職種について資料が示す水準は、月1.0万円です。
- 金額は国の見込みで、1人ずつの支給額ではありません。加算の額は事業所の報酬に加算率を掛けて決まり、事業所の中で配分されます(後の節で説明します)。
2026年6月から変わった3つのこと
同じ資料は、具体的な措置として次の3つを挙げています。
- 「今回から、処遇改善加算の対象について、介護職員のみから介護従事者に拡大する(加算率の引上げ)。」
- 「生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せの加算区分を設ける(加算Ⅰ・Ⅱの加算率の上乗せ)。」
- 「処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に処遇改善加算を新設する。」
2の上乗せの区分が「加算Ⅰロ」と「加算Ⅱロ」です。それまでの加算Ⅰ・Ⅱは、2026年6月から「加算Ⅰイ」「加算Ⅱイ」になりました。上乗せ区分を算定するには、加算Ⅰ・Ⅱの要件に加えて、資料が「令和8年度特例要件」と呼ぶ次のいずれかを満たす必要があります。
- 訪問・通所サービス等:ケアプランデータ連携システムに加入し、実績を報告する
- 施設サービス等:生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡを取得し、実績を報告する
- 社会福祉連携推進法人に所属している
資料によると、事務負担への配慮として、加算の申請の時点では、加入または取得の誓約で算定できます。3の新設分の加算率は、訪問看護1.8%、訪問リハビリテーション1.5%、居宅介護支援・介護予防支援2.1%です。
上乗せ区分を算定した事業所・施設は約65%(2026年6月分)
厚生労働省が2026年8月28日の社会保障審議会介護給付費分科会(第263回)に出した資料1に、2026年6月サービス提供分の算定状況が載っています。改定前から処遇改善加算の対象だったサービスでは、加算を算定している事業所・施設は95.8%で、上乗せ区分は加算Ⅰロが39.3%、加算Ⅱロが25.8%。合わせて65.1%です。
| サービス | 算定あり(合計) | Ⅰイ | Ⅰロ | Ⅱイ | Ⅱロ | Ⅲ | Ⅳ | 上乗せ区分(Ⅰロ+Ⅱロ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 94.8% | 9.0% | 34.3% | 14.6% | 22.3% | 11.1% | 3.5% | 56.6% |
| 訪問入浴介護 | 97.3% | 3.7% | 23.5% | 8.1% | 52.3% | 7.5% | 2.3% | 75.8% |
| 通所介護 | 98.4% | 5.9% | 35.3% | 10.3% | 34.7% | 9.7% | 2.4% | 70.0% |
| 通所リハビリテーション | 84.6% | 10.0% | 45.9% | 5.5% | 9.8% | 9.0% | 4.4% | 55.7% |
| 短期入所生活介護 | 99.4% | 8.5% | 58.9% | 6.9% | 20.5% | 3.9% | 0.7% | 79.4% |
| 短期入所療養介護 | 98.2% | 10.3% | 62.8% | 5.0% | 13.2% | 4.7% | 2.2% | 76.0% |
| 特定施設入居者生活介護 | 99.3% | 7.8% | 33.9% | 12.4% | 39.6% | 4.5% | 1.1% | 73.5% |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(夜間対応型訪問介護を含む) | 98.1% | 7.6% | 61.5% | 5.0% | 19.6% | 3.6% | 0.8% | 81.1% |
| 地域密着型通所介護 | 91.9% | 6.5% | 19.6% | 14.3% | 30.3% | 16.8% | 4.3% | 49.9% |
| 認知症対応型通所介護 | 97.4% | 10.1% | 42.7% | 10.8% | 25.9% | 6.0% | 1.8% | 68.6% |
| 小規模多機能型居宅介護 | 98.5% | 6.5% | 40.0% | 13.1% | 30.9% | 6.9% | 1.2% | 70.9% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 96.8% | 8.6% | 26.4% | 18.0% | 35.1% | 6.8% | 2.0% | 61.5% |
| 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 98.6% | 9.6% | 37.1% | 19.7% | 21.3% | 9.0% | 2.0% | 58.4% |
| 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | 98.8% | 11.3% | 64.4% | 6.4% | 13.3% | 3.0% | 0.4% | 77.7% |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | 98.6% | 7.4% | 42.9% | 10.6% | 29.8% | 6.2% | 1.7% | 72.7% |
| 介護老人福祉施設サービス | 99.5% | 11.1% | 69.4% | 4.9% | 10.9% | 2.6% | 0.7% | 80.3% |
| 介護老人保健施設サービス | 98.8% | 11.9% | 59.0% | 6.7% | 13.9% | 4.9% | 2.4% | 72.9% |
| 介護医療院サービス | 92.7% | 14.5% | 28.5% | 10.8% | 12.0% | 15.8% | 11.1% | 40.5% |
| 合計(予防を含む) | 95.8% | 8.3% | 39.3% | 11.3% | 25.8% | 8.6% | 2.6% | 65.1% |
サービスによる差が大きく、上乗せ区分の割合は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が81.1%、介護老人福祉施設サービスが80.3%と高い一方、地域密着型通所介護は49.9%、介護医療院サービスは40.5%でした。訪問介護は56.6%です。
2026年6月から新たに対象となったサービスの算定率は、訪問看護67.6%、訪問リハビリテーション59.8%、居宅介護支援76.0%、介護予防支援76.9%(合計71.6%)です。
加算率は「給料の上がり幅」ではない
処遇改善加算は、事業所の報酬にサービスごとの加算率を掛けて計算します。資料は「介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に上記の加算率を乗じる。」と書き、あわせて「加算率はサービス毎の常勤換算の職員数に基づき設定。」としています。主なサービスの加算率は次のとおりです。
| サービス | 2026年4〜5月 加算Ⅰ | 6月以降 Ⅰイ | Ⅰロ | Ⅱイ | Ⅱロ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 24.5% | 27.0% | 28.7% | 24.9% | 26.6% | 20.7% | 17.0% |
| 通所介護 | 9.2% | 11.1% | 12.0% | 10.9% | 11.8% | 9.9% | 8.3% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 18.6% | 21.0% | 22.8% | 20.2% | 22.0% | 17.9% | 14.9% |
| 介護老人福祉施設 | 14.0% | 16.3% | 17.6% | 15.9% | 17.2% | 13.6% | 11.3% |
| 介護老人保健施設 | 7.5% | 9.0% | 9.7% | 8.6% | 9.3% | 6.9% | 5.9% |
たとえば訪問介護の加算Ⅰロ28.7%は、事業所の報酬に上乗せされる割合です。給料が28.7%上がるという意味ではありません。加算率は、サービスごとの職員の数(常勤換算)をもとに決められているため、サービスによって大きく違います。
月1.0万円・1.9万円を年額と時給にすると(編集部試算)
国が示した月額を、年額と1時間あたりに直すと次のようになります。パートや短時間で働く人が、時給の上がり方を考える目安にしてください。
| 水準 | 月額 | 年額(12か月) | 1時間あたり(月160時間) |
|---|---|---|---|
| 幅広い賃上げ(介護従事者) | 1.0万円 | 12万円 | 約63円 |
| 加算の拡充分(上乗せ区分の介護職員) | 1.7万円 | 20.4万円 | 約106円 |
| 最大(定期昇給0.2万円込み) | 1.9万円 | 22.8万円 | 約119円 |
6月分の加算は、いつの給料に入るか
「6月から」といっても、6月の給料に入るとは限りません。厚生労働省の「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(2026年3月13日)は、賃金改善の実施月について「必ずしも算定対象月と同一ではなくても差し支えない」としています。6月に算定する加算の例として、次の3つのパターンから事業者が選ぶとしています。
- 6月の労働時間に基づき、6月中に見込額で支払う
- 6月の労働時間に基づき、7月中に支払う
- 6月サービス提供分の介護報酬が8月に事業所へ振り込まれるため、8月中に支払う
自分の職場がどのパターンかは、次の節の方法で確かめられます。
勤務先に確かめる方法
厚生労働省の通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(2026年3月13日)は、加算を算定する事業者に「以下の点に努めること。」として、次の2つを挙げています。
- 「当該事業所等における賃金改善を行う方法等について、処遇改善計画書を用いるなどにより職員に周知するとともに、就業規則等の内容についても職員に周知すること。」
- 「職員から処遇改善加算に係る賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員の賃金改善に係る内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること。」
聞くときは、次の3点をそろえると、自分の受け取る額が分かりやすくなります。
- 算定している区分(加算Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのどれか)
- 賃金改善の方法(基本給・毎月の手当・賞与・一時金のどれで払うか)
- 支給の時期(6月分の加算を何月の給料で払うか)
配分について、同じ通知は「介護サービス事業者等の判断により、事業所内で柔軟な配分を認めることとする。」としつつ、「職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わないこと。」と定めています。また、加算を算定する要件の一つとして、「処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を基本給又は決まって毎月支払われる手当」の改善に充てることを求め、「安定的な処遇改善が重要であることから、基本給による賃金改善が望ましい。」としています。
毎月の手当で払うか、一時金で払うかは、最低賃金の計算にも関係します(→処遇改善手当は最低賃金に含まれる?)。
2025年12月〜2026年5月分は「補助金」だった
2026年6月の加算の拡充より前に、令和7年度補正予算による「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」がありました。厚生労働省のリーフレットは、介護職員は最大月額1.9万円相当、介護職員以外も月額1.0万円相当を、いずれも6か月分補助すると案内しています(常勤換算の職員1人あたりの金額)。
同事業の実施要綱(2025年12月25日の通知)は、補助額の基準月を原則として2025年12月とし、その月の報酬額から6か月分の補助額を計算するとしています。補助金は都道府県を通じて事業所に交付されるもので、職員への支払いの時期と方法は事業所ごとに異なります。
2027年度はどうなるか
次の介護報酬の改定は、2027年度(令和9年度)です。2026年4月27日の介護給付費分科会(第256回)に出された検討の進め方の案では、2026年12月中に「報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめ」を行い、2027年1月頃に「介護報酬改定案 諮問・答申」とする日程が示されています。
処遇改善加算そのものも論点に入っています。第263回の資料1は、利用者のわかりやすさや事業者の事務負担の軽減の観点から「介護職員等処遇改善加算やサービス提供体制強化加算についてどのように考えるか。」を論点に挙げています。また「令和8年度介護報酬改定の概要」は、2027年度の改定で「物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施する」としています。2026年9月27日時点で、2027年度の加算率や金額は決まっていません。決まり次第、この記事を更新します。
よくある質問
2026年6月から、介護職員は全員の給料が月1.9万円上がるのですか?
パートや非常勤の人はいくら上がりますか?
看護師やケアマネジャー、事務職も対象ですか?
自分の職場が上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)かどうかは、どうすれば分かりますか?
2025年12月からの「補助金」と、6月からの加算は別のものですか?
介護職員の給料が実際にどれだけ上がったかは、いつ分かりますか?
出典
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日 老発0313第6号)(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省 同通知の別紙1 表1〜表4(サービス類型別加算率)(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)(令和8年3月13日)」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第263回(2026年8月28日)資料1「介護人材確保に向けた処遇改善等」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省 リーフレット「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善事業」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」(令和7年12月25日 老発1225第3号)(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第256回(2026年4月27日)資料4「令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)」(2026年9月27日確認)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第256回(2026年4月27日)資料1「令和8年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」(2026年9月27日確認)
本記事の金額・割合・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。年額・1時間あたりの金額と「上乗せ区分」の割合の合計は、資料の数字から編集部が計算しました。制度は改定される場合があり、実際の支給額は勤務先の算定区分と配分の方法で異なります。当編集部は、記事で取り上げる事業所・求人サービス各社の関係者ではありません。