障害福祉の処遇改善加算2026はいくら?月1.0万円+0.3万円、年収要件は460万円(介護は440万円)
障害福祉サービスで働く人の処遇改善加算(福祉・介護職員等処遇改善加算)は、2026年6月に拡充されました。答えを先に書くと、国が示した水準は、障害福祉従事者に「幅広く月1.0万円(3.3%)」、生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員に「月0.3万円(1.0%)の上乗せ」で、合計で福祉・介護職員は「最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.6万円込み)」です。厚生労働省の「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(2026年2月18日)によります(2026年9月30日確認)。
介護と同じく「幅広く月1.0万円」に上乗せを足す形ですが、上乗せの額(介護は月0.7万円)、定期昇給の見込み(介護は0.2万円)、年収の要件(介護は440万円)が違います。加算は事業所に支払われ、事業所が職員に配分するため、1人ずつの額は勤務先で決まります。
要点
- 制度
- 福祉・介護職員等処遇改善加算(障害福祉サービス等)
- いつから
- 2026年6月(告示改正)
- 水準
- 障害福祉従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)+福祉・介護職員に上乗せ月0.3万円(1.0%)
- 最大
- 月1.9万円(6.3%・定期昇給0.6万円込み)
- 新設
- 計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に加算率5.1%
- 年収要件
- キャリアパス要件Ⅳは改善後の賃金年額460万円(介護は440万円)
- 確認日
- 2026年9月30日
厚生労働省の公表資料より編集部作成(2026年9月30日確認)
介護との違い
| 項目 | 障害福祉 | 介護 |
|---|---|---|
| 改定率(2026年度) | +1.84% | +2.03% |
| 幅広い賃上げ | 障害福祉従事者に月1.0万円(3.3%) | 介護従事者に月1.0万円(3.3%) |
| 上乗せ(生産性向上など) | 福祉・介護職員に月0.3万円(1.0%) | 介護職員に月0.7万円(2.4%) |
| 最大(定期昇給込み) | 月1.9万円(6.3%)・定期昇給0.6万円込み | 月1.9万円(6.3%)・定期昇給0.2万円込み |
| 新しく対象になったサービス | 計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援(5.1%) | 訪問看護(1.8%)・訪問リハビリテーション(1.5%)・居宅介護支援/介護予防支援(2.1%) |
| キャリアパス要件Ⅳ(加算Ⅰ・Ⅱ) | 改善後の賃金年額460万円 | 改善後の賃金年額440万円 |
厚生労働大臣は2025年12月24日の会見で、障害福祉の改定率+1.84%について「これは、障害福祉従事者について月1.0万円、福祉・介護職員について定期昇給込みで月最大1.9万円の賃上げが可能な水準です。」と説明しています。月1.9万円は最大の額で、定期昇給の分も含みます。
2026年6月の拡充で変わったこと
- 処遇改善加算の対象を「福祉・介護職員のみから障害福祉従事者に拡大する」(加算率の引上げ)
- 生産性向上や協働化に取り組む事業者に、上乗せの加算区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を設ける
- それまで対象外だった計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援に処遇改善加算を新設する(加算率5.1%)
- ベースアップなどによる更なる賃上げや、生産性向上等の取組を後押しするための措置を講じる
加算率は、処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に掛ける割合で、サービスごとの常勤換算職員数に基づいて設定されています。加算率は給料の上がり幅ではありません。
加算率(主なサービス・2026年6月から)
| サービス | Ⅰイ | Ⅰロ | Ⅱイ | Ⅱロ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 居宅介護 | 44.6% | 45.6% | 43.1% | 44.1% | 37.6% | 30.2% |
| 重度訪問介護 | 37.2% | 38.2% | 35.7% | 36.7% | 30.2% | 24.8% |
| 生活介護 | 9.3% | 9.7% | 9.2% | 9.6% | 7.9% | 6.7% |
| 施設入所支援 | 18.6% | 19.3% | - | - | 16.5% | 14.2% |
| 短期入所 | 18.6% | 19.3% | - | - | 16.5% | 14.2% |
| 就労移行支援 | 11.5% | 11.9% | 11.3% | 11.7% | 9.8% | 8.1% |
| 就労継続支援A型 | 10.8% | 11.2% | 10.6% | 11.0% | 9.1% | 7.5% |
| 就労継続支援B型 | 10.5% | 10.9% | 10.3% | 10.7% | 8.8% | 7.4% |
| 共同生活援助(包括型) | 16.3% | 16.9% | 16.0% | 16.6% | 14.4% | 12.1% |
| 児童発達支援 | 15.2% | 15.8% | 14.9% | 15.5% | 13.9% | 11.7% |
| 放課後等デイサービス | 15.5% | 16.1% | 15.2% | 15.8% | 14.2% | 11.9% |
| 相談支援3種(新設) | 5.1%(区分なし) | |||||
上乗せ(加算Ⅰロ・Ⅱロ)の条件=令和8年度特例要件
上乗せの区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を算定するには、次のア・イのどちらかと、ウを満たす必要があります。
- ア:職場環境等要件の生産性向上に関する取組を5つ以上行う(⑱現場の課題の見える化と、㉑業務支援ソフト・情報端末の導入は必須)
- イ:社会福祉連携推進法人に所属している
- ウ:加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を、月給の賃金で配分する
アとウは、令和8年度中に対応すると誓約すれば算定でき、実績報告書で対応を確認します。資料は、未対応が確認された場合には加算額の一部または全部を返還させることとしています。介護の上乗せ区分の条件(ケアプランデータ連携システムなど)は介護の処遇改善加算2026はいくら?にまとめています。
年収460万円の要件(キャリアパス要件Ⅳ)とは
加算Ⅰ・Ⅱを算定する事業所には、賃金改善後の賃金が年額460万円以上になる職員を置くことが求められます(介護は440万円)。厚生労働省とこども家庭庁の「福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(2026年4月9日)は、次のように答えています。
- 含める賃金(問5-1):「手当等を含めて判断することとなる」。一方、「社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含めずに判断する。」
- 法人単位の場合(問5-2):5事業所を一括して申請するなら、5事業所それぞれでなく、全体で5人以上いればよい
- 誰が該当するか(問5-3):経験・技能のある福祉・介護職員である必要があり、「勤続年数10年以上の介護福祉士等を基本としつつ、各障害福祉サービス等事業所の裁量において設定が可能である。」
また、問2-2は「令和8年度以降は、処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額460万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることができることとしている。」としています。
誰に配られ、いつの給料に入るか
同じQ&Aの問2-1-2は、事業所内の配分について「対象には福祉・介護職員以外の全職種(※)が含まれる」とし、例として、施設長・管理者、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、サービス提供責任者、看護職員、生活支援員、世話人、児童指導員、保育士、相談支援専門員、調理員、事務員などを挙げています。
ただし、配分は事業所が決めます。問2-6は、一部の職員への集中などについて「職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わないこと。」とし、職員から照会があれば「当該職員の賃金改善に係る内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること。」としています。
支給の時期について、問1-8-1は、6月分の加算の例として、6月中に見込額で支払う、7月中に支払う、国保連の審査を経て8月に報酬が振り込まれてから8月中に支払う、の3つのパターンから事業者が選ぶとしています。毎月の手当で払われる加算は最低賃金の計算に含まれることがあり、その考え方は処遇改善手当は最低賃金に含まれる?にまとめています(障害福祉のQ&Aの問1-6も介護と同じ考え方です)。
取得状況と給料の変化(2025年度の調査)
厚生労働省が障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第55回・2026年4月28日)に出した資料には、2025年度の調査(令和7年障害福祉サービス等報酬改定検証調査「障害福祉人材の確保及び処遇状況等に関する調査」)の結果が載っています。2026年6月の拡充より前の数字です。
| 項目 | 2024年9月 | 2025年7月 | 差 |
|---|---|---|---|
| 基本給等 | 249,620円 | 260,730円 | +11,110円(+4.5%) |
| 平均給与額 | 316,370円 | 333,340円 | +16,970円(+5.4%) |
同じ調査で、2025年7月時点で処遇改善加算を取得していた事業所は89.9%(加算Ⅰ 54.6%、加算Ⅱ 18.7%、加算Ⅲ 13.1%、加算Ⅳ 3.5%)でした。
賃金構造基本統計調査による2025年の賞与込み給与は、障害福祉関係分野の職員が31.9万円、全産業平均(役職者を除く)が39.6万円で、差は7.7万円です(同じ資料4・差は編集部の計算)。障害福祉関係分野の職員は、保育士・訪問介護従事者・介護職員(医療・福祉施設等)を加重平均した数字です。
2026年6月の拡充の効果は、「令和8年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」で分かる見込みです。実施案では、調査は2026年7月に行い、2025年7月と2026年7月の給与を比べ、公表は「令和8年秋頃に公表予定」とされています(検討チーム 第55回 資料1)。
2027年度(令和9年度)はどうなるか
次の障害福祉サービス等報酬改定は2027年度(令和9年度)で、厚生労働省は検討チームで議論を進めています(第55回 資料4「令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討について」)。2026年9月30日時点で、2027年度の処遇改善加算の中身は決まっていません。介護報酬改定の日程は2027年度介護報酬改定はいつ決まる?にまとめています。
よくある質問
障害福祉の処遇改善加算は2026年にいくら上がりましたか?
相談支援専門員も対象ですか?
生活支援員・世話人・サービス管理責任者も対象ですか?
6月分の加算は、いつの給料に入りますか?
年収460万円の要件は、全員が460万円になるという意味ですか?
勤務先が加算を取っているか知るには?
出典
- 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(令和8年2月18日 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「上野大臣会見概要(財務大臣折衝後)」(令和7年12月24日)(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省・こども家庭庁 事務連絡「福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(令和8年4月9日。大阪府のページに掲載)(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 第55回(2026年4月28日)資料4「障害福祉分野の最近の動向」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 第55回(2026年4月28日)資料1「令和8年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の実施について(案)」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」(2026年9月30日確認)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日 老発0313第6号)(2026年9月30日確認)
本記事の金額・率・日付は、上記の公表資料の記載を確認日時点で書き写したものです。給与の差は、資料の数字から編集部が計算しました。実際の支給額は、勤務先の加算の算定の有無と配分の方法で異なります。制度は改定される場合があります。当編集部は、記事で取り上げる事業所・求人サービス各社の関係者ではありません。